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鶴瓶のらくだ [寄席通い]

第一回落語大秘演会 伊藤園 鶴瓶のらくだ 
H.19.11.23 京都南座

演目
私落語
「青木先生」                 笑福亭鶴瓶
「オールウェイズ お母ちゃんの笑顔」 笑福亭鶴瓶

古典落語
「らくだ」                   笑福亭鶴瓶

 

これは落語では無い。 落語を題材とした分類不能のエンターテイメントである。
演者をも舞台装置の一部とした舞台芸術としかとらまえようがない。
落語が持つミニマルな魅力と演者と聴衆のイマジネーションのキャッチボールの
楽しみを敢えて禁じ、冒頭の大掛かりな舞台装置、有名人が発したとされるコメント
舞台上のらくだの家と思しき破れ障子風の書割、それに当たる照明、高座への
ピンスポット等を総動員して聴衆が本来自分で考えるべきイメージをオンザレールで
単一的に誘導しているように感じた。
結果として、個人的には「らくだ」のおどろおどろしい部分だけがより強調され、
非常に後味が悪いものになった。 
過去に半ばまでとはいえ、鶴瓶師匠のらくだを聞いたことはあるが、その時はそういう
感覚には陥らなかった。 
確かに、普段足を運ぶことがほぼない敷居の高い劇場に足をむけてくれたことについては
多大に感謝する。 しかし、十二色の色鉛筆で書かれた水墨画を見たような、妙なちぐはぐ
感だけが残る。 私は、らくだと言う演目が大好きだ。 落語という最小単位で演じられる
演劇のおいしい要素がすべて濃縮されるような演目であるから。 また、鶴瓶師匠も、
幼い頃からラジオやテレビで多大に影響を受けた私にとって偉大な存在である。
なのに、下手にいじくりまわした為に演目の持つ魅力。 演者の持つ魅力までも完全
にスポイルされてしまったように思えてならない。
それとも、これを「落語」と考えてはならないのだろうか?

京都四條南座


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